講座内容
『宿曜運命勘録』は、矢野道雄氏が指摘したように宿曜師が著した1113年生まれの人物のホロスコープであり、日本では貴重で珍しい宿曜道の資料である。ホロスコープの図と解説文は現存し、その解説の文章全体は日本語ではなく漢文であるが、そこで扱われている占星術の技法は必ずしも中国のものだとは言えない。行年(年間のプロフェクション)や「三方主」(トリプリシティのロード)などは古代ギリシャの占星術にまでさかのぼることができる。この講座では、『宿曜運命勘録』の内容を詳しく説明し、西方占星術との関係性を明らかにする。
Speaker
講演者と対談者
ジェフリー・コテック 博士
Jeffrey Kotyk Ph.D
カナダ生まれ。
仏教、占星術の図像学、ペルシャから東アジアに渡る占星術、中国や日本の宿曜などを研究する。
2017年オランダのライデン大学でPhD取得。
日本との縁は深く、2006年に1年間交換留学生として国学院大学へ。
また2009~2011年に駒沢大学に留学。
論文には
Buddhist Astrology and Astral Magic in the Tang Dynasty (唐朝における仏教徒の占星術と占星魔術)
『漢字圏の文学における西方占星術の要素:東西文化交流における仏教の役割』(日本語)
など多数。
田中要一郎
占術研究家・翻訳家
1974年和歌山県生まれ。 早稲田大学卒。 占術研究家。翻訳家。西洋伝統占星術、インド占星術、七政四余など古典をベースとした東西の占星術を比較研究する。 日本、中国、インド、欧米の諸師に学ぶ。レイモンド・ロー公認風水師。
ディプロマ:クリス・ブレナン ヘレニスティック・アストロロジーコース、マーティン・ギャンステン マスター・オブ・プライマリーディレクションズ。
<書籍> 翻訳:梁湘潤「子平推命 基礎大全」、 ウィリアム・リリー「クリスチャン・アストロロジー 第1書&第2書、第3書」、ベンジャミン・ダイクス「現代占星術家のための伝統占星術入門」、徐芹庭「風水羅盤大全」、アラン・レオ「アランレオの占星術 出生図判断の秘訣」 対談集:「占術談義」(すべて太玄社刊)
<書籍> 翻訳:梁湘潤「子平推命 基礎大全」(太玄社) 、 ウィリアム・リリー「クリスチャン・アストロロジー 第1書&第2書」(太玄社)、「クリスチャン・アストロロジー第3書」(太玄社)、ベンジャミン・ダイクス「現代占星術家のための伝統占星術入門」(太玄社)
対談集:「占術談義 田中要一郎対談集」(太玄社)
ごあいさつ
ジェフリー・コテック氏は仏教、占星術の図像学、ペルシャから東アジアに渡る占星術、中国や日本の宿曜などに関して深い研究を行っています。アカデミシャンであり、オランダのライデン大学で博士号を取得しています。
日本には数年間の留学経験があり、日本語が堪能です。
数年前にジェフリー・コテック氏の論文を初めて読んだときに、東アジアを中心とした占星術の歴史を深く研究されていることに驚き、また感動したことを思い出します。
2021年、2022年とジェフリー・コテック博士をお招きし、伝統占星術特別講義をZoomで開催いたしました。
ジェフリー・コテック氏のその講座は毎回大きな反響を呼び、興奮の内に講座は終了しています。
ジェフリー氏は現在、これまでのカナダから、研究のために現在はイタリアにその活動の場を移しています。
多忙ななか、今年もありがたいことに、ジェフリー氏に東アジアを中心とした占星術について講義して頂くこととなりました。
講義のテーマは「宿曜道のホロスコープ:『宿曜運命勘録』の内容について」です。
今年は、日本の宿曜道のホロスコープの講義をされると聞いて、今からワクワクしています。
講義の後には、私と対談をして頂き、受講されている皆様からの質疑応答となります。
よろしくお願いいたします。
主宰 田中要一郎
タイムテーブル
2023年7月29日(土)
19:00pm~20:00pm
(日本時間)
ジェフリー・コテック博士
講義
20:00pm~20:30pm
(日本時間)